日商簿記3級を、物語×Excel連動で学ぶ連載です。全20回の予定で、演習用のExcelファイルは各回の末尾から取れます。私自身がAIと教材を作りながら学び直している側なので、「教える」というより「一緒にさわる」スタンスで書いていきます。
想定読者
簿記の知識ゼロの方向けです。前提はDay 1の「5つの箱」とDay 2の「仕訳の左右ルール」だけ。まだの方は先にそちらをどうぞ。
前回のあらすじ
ベトナム赴任が決まったのに簿記ゼロの藤原ケン(31歳)は、経理部長・中島恵の特訓で仕訳を覚えた。仕訳とは、1つの取引を2つの側面に分けて左と右の1行にすること。覚えるのは5つの箱のホームポジションだけ――資産は左、負債・純資産は右、費用は左、収益は右。増えたらホーム側、減ったら反対側。今日からはいよいよ「日々の取引」編、勘定科目を1つずつ攻略していく――。
特訓3日目 ― 「藤原さん、これは現金です」
2025年11月17日、月曜の夜。ハノイ出張を挟んで、特訓は3週間ぶりになった。会議室に入ると、テーブルの上に小さな手提げ金庫と、1枚の細長い紙が置いてあった。
中島: お帰りなさい。再開の前に1つだけ復習です。売掛金400,000円を現金で回収した。仕訳は?
Ken: えっと……現金が増えるから左、売掛金という資産が減るから右。(借方)現金 400,000/(貸方)売掛金 400,000です。
中島: 結構です。3週間空いても左右ルールが出てくるなら、忘れていません。では今日の本題です。
中島部長はテーブルの紙をケンの前に滑らせた。金額欄に「¥90,000」と印字された、見本と赤字の入った1枚。
中島: 藤原さん、これは現金です。
Ken: ……紙、ですよね? 小切手、というやつに見えますが。
中島: 小切手です。そして簿記の世界では、これは現金です。今日はここから始めます。テーマは「会社のお金の置き場所」。財布と銀行口座しか持っていない個人と違って、会社のお金は置き場所が分かれています。金庫の現金、普通預金、当座預金、そして各部署に配ってある小口現金。どこにあるかで勘定科目が変わる――今日はこの4つを一気に片づけます。
Ken: 置き場所で科目が変わる。倉庫が変わると在庫の管理コードが変わるようなものですか。
中島: その理解で結構です。そして4つとも資産の箱なので、増えたら左、減ったら右。Day 2のルールがそのまま使えます。新しく覚える「ルール」は今日はほぼありません。覚えるのは「どの置き場所を、どの科目と呼ぶか」の分類だけです。
今日の3ポイント
① 簿記の「現金」は財布より広い ― 通貨に加えて、すぐ換金できる証券(他人振出の小切手・送金小切手・郵便為替証書)も現金 ② 当座預金 ― 小切手で支払うための決済用口座。小切手を振り出したら当座預金の減少、他人の小切手を受け取ったら現金の増加 ③ 小口現金 ― 週の初めに定額を前渡しし、週末に報告を受けてまとめて仕訳・補給する(定額資金前渡制度)
概念解説

今日の登場人物は上の4つです。順番に見ていきます。
ポイント① 簿記の「現金」は、財布の中身より広い
簿記で「現金」勘定に入るのは、通貨(紙幣・硬貨)と通貨代用証券です。

通貨代用証券とは、銀行や郵便局に持ち込むとその場で換金できる証券のこと。3級では次の3つを覚えます。
- 他人振出の小切手 ― 取引先が振り出した小切手。銀行に持ち込めばすぐお金になる
- 送金小切手 ― 銀行が発行する送金用の小切手
- 郵便為替証書 ― 同じ仕組みを郵便局でやったときの証書
Ken: 営業のころ、集金先で「今日は小切手で」と渡されたことがあります。そのまま経理に出したら、伝票は「現金」になっていました。あれは間違いじゃなかったんですね。
中島: 正しい処理です。見分け方は1つだけ。「金融機関に持ち込むと、その場でお金に換わるか」。換わるなら現金、換わらないなら現金ではない。だから郵便切手や収入印紙は、金庫に入っていても現金ではありません。あれは換金するものではなく「使う」ものですから、費用などで処理します。
Ken: 切手は……ああ、さっきの基準ですね。郵便局に持って行っても、お金には換えてもらえない。
ポイント② 当座預金 ― 小切手で支払うための口座
中島: では、その小切手を「支払う側」から見ます。小切手は、当座預金口座を開設すると振り出せるようになります。当座預金は代金決済専用の口座で、ふだんの普通預金とは別の勘定科目で記録します。
小切手の流れはこうです。
- 当社が小切手に金額を書いて相手に渡す(振り出す)
- 相手がその小切手を銀行に持ち込む
- 当社の当座預金口座からお金が支払われる
つまり、小切手を振り出した時点で、遅かれ早かれ当座預金から出ていくことが決まります。そこで簿記では、振り出した時点で(貸方)当座預金として処理してしまいます。
Ken: 相手がまだ換金していなくても、ですか。
中島: はい。実質を重視するのが簿記の考え方です。まとめると、小切手の仕訳は「どちら側にいるか」で決まります。
- 振り出した側 → 当座預金の減少(右)
- 受け取った側 → 現金の増加(左)※ポイント①の通貨代用証券だから
ここに、3級定番のひっかけが2つあります。
ひっかけ1:受け取った小切手を「ただちに当座預金に入金した」場合。 いったん現金にしてすぐ当座に移すのと同じことなので、まとめて(借方)当座預金とします。問題文の「ただちに」が合図です。
ひっかけ2:戻ってきたのが「自分が振り出した小切手」だった場合。 小切手は受け取った人がさらに別の支払いに回すことができるので、めぐりめぐって当社に戻ってくることがあります。このときは現金にはしません。振り出したときに減らした当座預金が、結局引き出されずに済んだ――という意味で、(借方)当座預金として減少を取り消します。
Ken: 自分の小切手が戻ってくる、というのがまだ想像できていないんですが……あとで実例が出てきますか?
中島: 今日の資料の⑦がまさにそれです。それから1つ補足しておくと、紙の小切手や手形は、実務では電子的な決済に置き換わって減ってきています。ただ、3級の試験には今も出ますし、「振り出した時点で当座預金の減少とみなす」という考え方自体は、決済手段が電子になっても変わりません。仕組みごと理解しておいて損はありません。
ポイント③ 小口現金 ― 週の初めに渡して、週末にまとめて締める
Ken: そういえば先週の出張のこまごました立て替え、総務の窓口で現金で精算してもらいました。あの窓口のお金も「現金」ですか?
中島: いい入口です。あれが今日の3つ目、小口現金です。電車代や文房具のような少額の支払いのたびに、経理が金庫を開けて仕訳をしていたら、手間がかかりすぎます。そこで、各部署の担当者(用度係)にあらかじめお金を渡しておいて、日々の少額の支払いはそこから出してもらう。経理が仕訳をするのは、まとめて報告を受けたときだけ――という仕組みです。

多くの会社は定額資金前渡制度(インプレスト・システム)という方式をとります。
- 週の初めに定額(例:60,000円)を用度係に前渡しする
- 用度係は週の間、小口現金から少額の支払いをする(この時点では仕訳しない)
- 週末に用度係が「今週は合計30,000円使いました」と内訳つきで報告する → ここで仕訳
- 使った分と同額を補給する → 翌週の頭には必ず定額60,000円に戻っている
Ken: ……これ、工場の消耗品の定数管理と同じ発想ですね。棚に定数を決めて置いておいて、使った分だけ補充する。月曜の朝には必ず定数に戻っているから、欠品もしないし、数えるのも楽になる。
中島: 同じです。「定額に戻す」ことで管理を楽にする仕組みです。そして報告を受けたときの仕訳が、Day 2のWhat-if③で予告した複合仕訳――借方や貸方が2行以上になる仕訳です。報告の内容が「電車代12,600円、コピー用紙8,400円、切手代5,200円、お茶代3,800円」なら、仕訳はこうなります。
(借方)旅費交通費 12,600
(借方)消耗品費 8,400
(借方)通信費 5,200
(借方)雑費 3,800
(貸方)小口現金 30,000
Ken: 左が4行、右が1行。でも左の合計30,000と右の30,000は一致している。
中島: そうです。行が何行になっても、借方合計=貸方合計のルールは変わりません。 1つの取引(週間報告)を左右に分けているだけですから。
なお、今日の新しい勘定科目は6つです。全部、既にある箱のどれかに入るだけです。
- 資産 ― 当座預金、小口現金
- 費用 ― 旅費交通費(電車代・出張費)、消耗品費(文房具など)、通信費(切手・電話代)、雑費(どれにも入らない少額の費用)
【資料】今日の数字:Horizon Trading 東京オフィス・2025年11月10日〜14日
中島: 今日もHorizon Tradingに登場してもらいます。ちょうど先週、当座預金口座の開設と小口現金制度の導入をした設定で、1週間分の「お金まわりの記録」を教材用の架空の数字で9本用意しました。

単位:円(教材用の架空の数値です)。週初めの金庫の現金は1,500,000円。
Ken: あ、⑤の「11/12に売掛金350,000円を現金で回収」――前回の宿題に出てきた11月のメモと同じ取引ですね。
中島: よく気づきました。あのメモは11月の取引を抜き書きしたものでしたが、今日の資料は、その同じ11月のまん中の1週間を帳簿の目で拡大したものです。そして⑦を見てください。11/11に④で振り出した小切手が、11/14に売掛金の回収として戻ってきています。仕入先がその小切手を、当社の得意先への支払いに回したためです。
Ken: これがさっきの「自分の小切手が戻ってくる」……。金額が280,000円で同じなのは、同じ1枚の紙だからですか。
中島: そのとおり。小切手は1枚の証券なので、金額ごと旅をして戻ってきます。では、この9本を仕訳して、帳簿を締めてみましょう。
Excel演習:仕訳をきると口座残高が立ち上がり、出納帳は自分の数式で締める
配布ファイル「Day03_Exercise.xlsx」の「演習」シートを開いてください(ダウンロードは記事末尾)。青文字は入力済み、黄色セルが自分で埋める欄、薄青セルは自動計算、緑セルは検証です。

Step 1 仕訳表 ― 9本の取引を12行で入力する
中島: 6行目から17行目が仕訳表です。①から順に、D列(借方科目)・E列(借方金額)・F列(貸方科目)・G列(貸方金額)を埋めてください。科目は▼リストから選べます。①なら、当座預金という資産が増えて左、普通預金という資産が減って右。D6に「当座預金」、E6に 1000000、F6に「普通預金」、G6に 1000000です。
Ken: ②の小口現金の前渡しは……小口現金が増えて左、小切手を振り出したから当座預金が減って右。⑧の報告は、さっきの複合仕訳ですね。
中島: はい。⑧の複合仕訳は、Excelでは1行1組に分けて4行で入力します(合計は同じです)。全部入ると、18行目に借方合計と貸方合計が出ます。
Ken: どちらも 2,420,000。19行目の検証が「OK」になりました。
Step 2 現金出納帳 ― 残高の列に数式を入れる
中島: 22行目からが現金出納帳、金庫のお金だけを記録する帳簿です。仕訳表から「現金」が動いた行を拾って、収入・支出の列に転記してください。D24に 90000、D25に 350000、E26に 300000です。
Ken: 11/11の送金小切手の90,000円も、現金の収入としてここに書くんですね。紙のまま金庫に入っていても。
中島: それがポイント①です。では残高の列。F24に「前の残高+収入−支出」の式、=F23+D24-E24 を入れて、F26までコピーしてください。F27の週末残高は =F26 です。
Ken: 1,500,000から始まって……週末残高 1,640,000。28行目の検証がOKになりました。
Step 3 小口現金出納帳 ― 補給額を数式で出す
中島: 31行目からが小口現金出納帳です。E列に支払額、その右の内訳欄(旅費交通費・消耗品費・通信費・雑費)にも同じ金額を入れてください。E33とF33に 12600、E34とG34に 8400、という要領です。
Ken: 入れました。支払合計は……E37に =SUM(E33:E36) で、30,000。
中島: 補給は「支払合計と同額」なので、B38に =E37。翌週繰越はB39に「受入合計−支払合計」、=B32+B38-E37 です。
Ken: 60,000。定額にちゃんと戻りました。40行目の検証もOKです。

Step 4 当座預金の残高は、もう立ち上がっている
中島: 最後に、シート右上の「当座預金の増減」を見てください。ここは1文字も入力していないはずです。
Ken: 増加1,580,000、減少370,000、残高 1,210,000。検証もOK……。仕訳表を埋めただけなのに、口座の残高が出ています。
中島: SUMIFという関数が、仕訳表から「当座預金」の行だけを拾って集計しています。これが帳簿の仕組みそのものです。仕訳さえ正しくきれば、あとの集計は機械的に決まる。 次回以降にやる総勘定元帳や試算表も、この延長線上にあります。
What-ifチャレンジ
シート下部の3問を試してください。
- ① ④の買掛金280,000を「小切手」でなく「現金」で支払ったことにすると、現金出納帳の週末残高と当座預金の残高はそれぞれいくらになる?
- ② ⑧の報告に「取引先への手土産2,500円(雑費)」を1行追加すると、補給額はいくらに変わる? 翌週繰越が定額60,000のままなことも確認
- ③ ⑦の小切手が「当社振出」でなく「得意先振出」だったら、仕訳のどこが変わる?(受け取ってすぐ当座預金に入金したかどうかでも変わります)
問題演習
今日の問題はすべて、上の【資料】11月10日〜14日の週と同じ世界の数字を使います。各問題の直下に解答を置いているので、自分の答えを出してから読み進めてください。
基礎編(問1〜5)
問1. 簿記上の「現金」に含まれるものはどれか。すべて選びなさい。 A. 他人振出の小切手 B. 自己振出小切手 C. 郵便為替証書 D. 郵便切手
▼ 解答 AとC。基準は「金融機関に持ち込むと、その場でお金に換わるか」。B(自己振出小切手)は戻ってきても現金ではなく当座預金の増加、D(郵便切手)は換金するものではなく使うものなので費用等で処理します。
問2. 小切手を振り出して代金を支払ったとき、貸方にくる勘定科目はどれか。 A. 現金 B. 普通預金 C. 当座預金 D. 小口現金
▼ 解答 C。小切手は当座預金口座から支払われるので、振り出した時点で当座預金の減少とします。相手がまだ換金していなくても同じです。
問3. 得意先振出の小切手を受け取ったとき、借方にくる勘定科目は原則としてどれか。 A. 現金 B. 当座預金 C. 売掛金 D. 受取手数料
▼ 解答 A。他人振出の小切手は通貨代用証券なので現金です。ただし「ただちに当座預金口座に入金した」とあれば当座預金にします。
問4. 定額資金前渡制度の説明として最も適切なのはどれか。 A. 少額の支払いのたびに、経理が仕訳をきる制度 B. 一定額を用度係に前渡しし、定期的に使った分と同額を補給して定額に戻す制度 C. 給料を前払いする制度 D. 当座預金の残高を一定に保つ制度
▼ 解答 B。週(または月)の初めには必ず定額に戻っているのが特徴です。仕訳をきるのは前渡し・報告・補給の3回だけで、日々の1件1件では仕訳しません。
問5. 複合仕訳の説明として正しいものはどれか。 A. 2つの会社の取引をまとめて記録する仕訳 B. 借方または貸方が2行以上になる仕訳。行が増えても借方合計と貸方合計は一致する C. 金額が大きい取引にだけ使う特別な仕訳 D. 左右の合計が一致しなくてもよい仕訳
▼ 解答 B。1つの取引を2つの側面に分ける原則はそのままで、側面の内訳が複数行になるだけです。左右の合計一致は絶対に崩れません。
計算編(問6〜8)
問6. 【資料】の週について、現金出納帳の週末残高を求めなさい(週初めの残高は1,500,000円)。
▼ 解答 収入:③90,000+⑤350,000=440,000円 支出:⑥300,000円 週末残高:1,500,000+440,000−300,000=1,640,000円 ③の送金小切手は紙のままでも「現金」の収入として記録します。
問7. 【資料】の週について、当座預金の週末残高を求めなさい(口座は①で開設したばかりとする)。
▼ 解答 増加:①1,000,000+⑥300,000+⑦280,000=1,580,000円 減少:②60,000+④280,000+⑨30,000=370,000円 残高:1,580,000−370,000=1,210,000円 ⑦の自己振出小切手の受け取りを「現金」にしないことがポイントです。
問8. 【資料】の⑧⑨について、小口現金の補給額と、補給後(翌週初め)の小口現金残高を求めなさい。
▼ 解答 補給額=支払報告の合計=12,600+8,400+5,200+3,800=30,000円 補給後の残高=60,000−30,000+30,000=60,000円(定額に戻る)
仕訳編(問9〜12)
次の取引の仕訳を示しなさい(勘定科目は本文に登場したものから選ぶこと)。
問9. 取引の仲介手数料70,000円を送金小切手で受け取った。
▼ 解答 (借方)現金 70,000 /(貸方)受取手数料 70,000 送金小切手は通貨代用証券なので現金の増加です。
問10. 仕入先に買掛金150,000円を、小切手を振り出して支払った。
▼ 解答 (借方)買掛金 150,000 /(貸方)当座預金 150,000 小切手の振り出し=当座預金の減少。負債の減少は左、資産の減少は右です。
問11. 得意先から売掛金200,000円の回収として得意先振出の小切手を受け取り、ただちに当座預金口座に入金した。
▼ 解答 (借方)当座預金 200,000 /(貸方)売掛金 200,000 「ただちに」が合図。いったん現金を経由させずに、直接当座預金の増加とします。
問12. 用度係から、旅費交通費9,000円・消耗品費3,500円・通信費2,500円を支払ったと報告を受けた(小口現金は定額資金前渡制度による)。
▼ 解答 (借方)旅費交通費 9,000
(借方)消耗品費 3,500
(借方)通信費 2,500
(貸方)小口現金 15,000
複合仕訳です。借方3行の合計15,000と貸方の15,000が一致します。
総合問題(問13)
11月28日(金)の夕方、Horizon Trading 東京オフィスの金庫の中身を数えたところ、次のメモのとおりだった。このとき現金出納帳の残高は1,725,000円である。

設問1. メモの7項目のうち、簿記上の「現金」として数えてよいものをすべて挙げ、その合計額を求めなさい。
設問2. 設問1の合計額と現金出納帳の残高1,725,000円を比べて、帳簿と実物が一致しているか答えなさい。
設問3. 「当社振出の小切手」はまだ仕訳をしていない。必要な仕訳を示しなさい。
設問4. かりに「当社振出の小切手」を誤って現金に含めて数えると、帳簿との差はいくら生じるか答えなさい。
▼ 解答
設問1. 現金として数えるのは、紙幣・硬貨1,596,000円、得意先D社振出の小切手70,000円、送金小切手50,000円、郵便為替証書9,000円の4つ。合計は
1,596,000+70,000+50,000+9,000=1,725,000円
当社振出の小切手は当座預金の戻り、郵便切手と収入印紙は「使うもの」なので現金には含めません。
設問2. 帳簿残高1,725,000円と実査の合計1,725,000円は一致している。現金の範囲を正しく線引きできれば、帳簿と金庫は合います。
設問3. 自己振出小切手の受け取りなので、
(借方)当座預金 60,000 /(貸方)売掛金 60,000
現金にしないこと。振り出したときに減らした当座預金の減少を取り消す処理です。
設問4. 現金の合計が1,785,000円になり、帳簿より60,000円多くなってしまう。「金庫にある紙=ぜんぶ現金」と数えると帳簿と合わなくなる、というのが今日いちばんのひっかけです。
Next: Day 4 → 商品を仕入れて売る①(三分法と掛け取引)
お金の置き場所を押さえたので、次はいよいよ商社の本業、「商品を仕入れて売る」仕訳です。実は商品の売買には、Day 2で少しだけ触れた「特別な型」があります――買ったときは資産ではなく費用で記録する「三分法」。簿記3級の主役級の論点です。
さわる簿記3級(東京編) ― Day 3 / 20 第1部 日々の取引、開始
演習Excel
この回の演習シートと完成見本が入った Excel です。手元に落として、数字を入れ替えながら読んでください。