作成日: 2026年3月21日


1. はじめに

2025年2月18日、ベトナム国会は決議第 176/2025/QH15 号を可決し、2025年3月1日 より政府組織の大規模再編が実施された。省庁数は 18 から 14 に削減され、省庁級機関は 3 、政府直属機関は 5 にそれぞれ縮小された。本レポートでは、外資系企業がベトナム進出時に必要とする各種許認可について、旧窓口から新窓口へのマッピングを整理する。


2. 省庁再編の全体像

2.1 主要な統合

表:主要な統合

2.2 再編後の14省庁

国防省、公安省、司法省、商工省、文化スポーツ観光省、外務省、教育訓練省、保健省、財政省、建設省、農業環境省、科学技術省、内務省、民族宗教省

太字は外資系企業の許認可に特に関連が深い省庁。


3. 外資系企業の許認可 -- 旧窓口→新窓口マッピング

3.1 投資登録証明書(IRC)

表:投資登録証明書IRC 工業団地に入居する場合、IRCの窓口は引き続き工業団地管理委員会(Ban Quan ly Khu cong nghiep)が担うケースが多い。ただし上位機関がMPIからMOFに変更されたため、書式変更の有無を確認する必要がある。

3.2 企業登録証明書(ERC)

表:企業登録証明書ERC 既存のERCは有効なまま。新規設立企業は新体制の窓口に申請する。

3.3 労働許可証(Work Permit)

表:税務登録 重要: 2025年8月 の議定第 219/2025/ND-CP 号により手続きが大幅に簡素化された。

  • 求人公告期間: 15 暦日 → 5 営業日に短縮
  • ベトナム現地労働契約で雇用する場合のみ求人公告が必要(駐在員派遣は対象外の場合あり)
  • 労働許可証と犯罪経歴証明書の同時申請が可能(国家公共サービスポータル経由)

3.4 税務登録

表:環境影響評価EIA 環境許可 税務登録は元からMOF管轄のため、直接的な影響は小さい。

3.5 環境影響評価(EIA)/ 環境許可

表:消防承認PCCC 製造工場の建設には環境影響評価が必要となるケースが多い。窓口変更に注意。

3.6 消防承認(PCCC)

表:建設許可 省庁再編の直接的影響はない。ただし 2025年7月1日 施行の新消防法(第 55/2024/QH15 号)による要件強化に留意。

3.7 建設許可

表:土地使用権

3.8 土地使用権

表:窓口マッピング サマリー表

4. 窓口マッピング サマリー表

表:参考法令

5. 行政手続き移行の実務上の課題

5.1 未更新手続きのリスク

省庁再編により 1,300 以上の行政手続きが影響を受け、2025年 後半時点で約 630 の手続きが未更新だった。2026年3月 現在、大部分は更新済みと見られるが、以下のリスクは残存する:

  • 申請書式に旧省庁名が記載されたまま流通している可能性
  • 省レベルの組織再編が中央より遅延しているケース
  • オンライン申請システムの移行が一部不完全

5.2 推奨対応

  • 設立代行弁護士/コンサルタントとの契約時に、省庁再編後の最新窓口を必ず確認する
  • 工業団地管理委員会にIRC/ERC申請の最新手続きを直接照会する
  • 外国人駐在員の労働許可証について、新窓口(内務省/内務局)と議定 219 号の新手続きを確認する
  • ベトナム政府の公共サービスポータル(dichvucong.gov.vn)で最新情報を定期的にチェックする

6. ベトナム政府の公式見解

ベトナム政府は、今回の省庁再編がビジネス・投資環境に悪影響を与えないことを公式に表明しており、行政手続きの簡素化と効率化が主目的であるとしている。実際に労働許可証の手続き簡素化(議定 219 号)など、再編と連動した規制緩和も進行している。


7. 参考法令

表:table11

本レポートは公開情報に基づく調査結果であり、法的助言を構成するものではありません。省レベルの組織再編は段階的に進行中のため、実際の窓口は現地で最新情報をご確認ください。