ベトナム在住9年目か10年目の、製造業の片隅で奮闘している大前研一先生にあこがれている男です。

昨日、バクザン(Bac Giang)省で開催された「Vietnam Industrial & Manufacturing Fair(VIMF 2025)」に行ってきました。

VIMFはベトナム各地の主要な工業団地エリアで開催される製造業に特化した展示会で、以前からBac Ninhで開催される際は注目していました。今年は特に、バクザンでの開催は初めてということもあり、出展を検討していたのですが、今回はまず「初めての会場を視察してみよう」ということで、見学に行ってきました。

VIMFがバクザンで開催される理由:発展著しいバクザン省の産業

VIMFがなぜバクザンで開催されるのか。その背景には、近年バクザン省が目覚ましい産業発展を遂げていることがあります。バクザン省は、サムスンなどの大手企業が進出するバクニン省の隣に位置し、地の利を活かして多くの外資系企業、特に電子部品や精密機械、ハイテク産業分野の工場誘致に成功しています。新たな工業団地の開発も進んでおり、北部における重要な製造業の一大拠点となりつつあります。

VIMFがこうした製造業の集積地で開催されるのは自然な流れであり、この地域のサプライヤーや顧客候補、最新技術が集まる場として期待が寄せられていると言えるでしょう。

会場へ:高速からの景色に感じる地方都市のポテンシャル

会場は「Bac Giang Provincial Gymnasium」でした。

車でバクザンのあたりを運転すると、毎回高速道路をバクザン方面へ走っていると、この体育館の立派な建物が見えてきて、その近くにもう一つ、これまた大きな近代的な建物が見えます。一体なんだろうと思いながらも、「ああ、バクザンもインフラが着々と整備されて、地方都市のポテンシャルが高まっているんだな」と強く感じていました。今回、これらの建物の1つが会場で入るのは初めてでした。

もうひとつの大きい建物。名前はわからなかつた

会場内の雰囲気と、バクニン会場との比較

会場に到着し、早速中へ。全体の規模感としては、以前行ったバクニン省で開催されるVIMFと比較すると、正直なところやや小さく感じました。ブースの数や来場者の活気も、バクニンに比べると一歩譲るかな、という印象です。来場者も、地元のベトナム系企業の担当者の方が多いように見受けられました。

ただ、これはバクザンでの開催が初めてということも影響しているかもしれません。今後、回を重ねるごとに規模が拡大していく可能性も十分にあるでしょう。

出展者層から見えたこと、そして出展を見送った理由

今回のVIMFバクザンで、どのような企業が出展していたか。私の視点から感じたのは、非常に幅広い分野の製造業関連企業が集まっているということです。具体的には、

  • 各種機械・工作機械

  • 自動化設備、FA関連

  • 金型、部品加工

  • 金属材料、プラスチック材料

  • 検査機器、測定機器

  • 工業団地の紹介

  • 物流、産業用不動産

  • ソフトウェア、ITソリューション(製造業向け)

などなど、多岐にわたっていました。


出展者が多く見えるが、Bac NinhとBinh Duongの出展者も合わせたもの。最初騙された。

今回、出展を検討しつつも見送って視察を選んだ大きな理由の一つが、「出展者間のつながり」を重視しているからです。私たちにとって、展示会は単に顧客候補を探す場だけでなく、同じ業界や関連するサプライチェーン上の企業との情報交換やネットワーキングを通じて、新たなビジネスのヒントを得たり、協業の可能性を探ったりする貴重な機会だと考えています。

今回のバクザン会場を見て回った体感としては、もちろん個別の素晴らしい技術や製品を持つ企業はありましたが、私たちのビジネスと直接的に深く関連する、あるいは今後のサプライヤーやパートナーとして具体的なイメージが湧くような出展者層が、期待していたほど多くはなかった、という正直な感想です。非常に幅広い分野が集まっているため、特定の分野で濃いつながりを求めるというよりは、バクザンおよび周辺地域の製造業全体を広く知る、という目的には適していると感じました。

もちろん、これはあくまで私自身のビジネスや目的に照らしての判断です。例えば、バクザン省に工場があり、地元の新しいサプライヤーを探している企業や、幅広い製造業をターゲットにしたサービスを提供している企業にとっては、非常に有効な展示会だった可能性も十分にあります。

正直な感想:会場設備の課題(特にトイレ!)

会場全体は新しく立派な建物でしたが、なんとなく荒廃したというか、ハノイや田舎の片隅のドローカル感が感じられる会場でした。

今まで訪れたベトナムの展示会は入口からハイテク等のキラキラ感があるのですが、「えっ、なんかショボい。。。」と感じました。入口近くに路上のチャダーの店みたいなのがあったり、会場内の休憩場所もチャダーやソーセージなどが売っているハノイの夜一みたいな感じでした。

入り口近くのチャダー。他の展示会ではこういった業者は閉め出されているが、ここでは会場中でも多く見られた。

完成したばかりのようにも見える建物なのに、トイレも「え?これ数年掃除してないの…?」と疑うほど、便器の黄ばみがすごかった。これは一体どうやってこうなってしまい、どうやったらきれいに汚れが落ちるのかを考えながら小用をたしました。

せっかく新しく箱物を作ったのに、使い道がなく数年放置…という感じだったのかなと想像しました。

まとめ:VIMF Bac Giang 2025に行ってみて、そしてベトナムでの展示会活用への示唆

今回のVIMFバクザン視察は、私にとっては多くの学びがありました。

  • バクザン省の産業の今 を肌で感じることができた。

  • バクニン会場との規模や出展者層の違い を体感できた。

  • 展示会出展において、自社の目的(誰とつながりたいか、何を得たいか) を明確にすることの重要性を再認識した。

  • 会場の設備状況も、展示会選びや訪問の際のチェックポイントになりうる(特に地方会場)。

現時点では、私たちのビジネスの目的(特に「出展者間の濃いつながり」)から見ると、今回のVIMFバクザンは出展対象としては見送る判断となりました。しかし、バクザン省の製造業は今後も発展していくでしょうし、VIMFバクザンも回を重ねるごとに規模や出展者層が変化していく可能性があります。将来的に再検討する価値はあると感じています。

ベトナム在住の製造業に関わる皆さんにとって、こうしたローカルで開催される展示会は、ハノイやホーチミンで開催される大規模展示会とはまた違った、生の情報やニッチな出会いがある貴重な機会です。