前の記事で、私はサラリーマンとしての本業の合間に、妻と事業を立ち上げ、いまテスト販売の段階にいると書いた。

この記事は、その続きである。

私たちの事業は、AIだけで完結するデジタル事業ではない。仕入れ、試作、撮影、販売、顧客対応など、現実に人間が手を動かす仕事がある。最後に責任を持つのも人間だ。

「AI社員」は夫婦の限られた時間だけでは抱えきれない制作、整理、記録、進行管理を引き受けてもらうためのチームである。

AIを使い始めてから、文章、画像、動画、ウェブサイト——一人では手が回らなかったものが、次々に作れるようになった。

それなのに、前へ進んだ感がしないというか遅い。

まず、文章、画像、動画、ウエブサイトが作れるようになったと書いたが、毎回毎回、チャットで手作業しなければならない。GPTsやGEMを作っても、こなせる量はだいたい1回にひとつのアウトプット。

次にチャットを替えると話が切れる。別のAIに乗り換えると、また最初から説明する。似たファイルが増えて、どれが最新版か分からなくなる。途中まで進めた仕事が、そのまま忘れられる。

AIはどんどん賢くなるのに、事業全体の経緯を覚え、複数のAIへ情報を運ぶのは、結局私だった。

私は画面とチャットを増やしすぎて、どこを見ればよいか分からなくなった。

そこで作ったのは、経営、SNS、動画、商品、ウェブ、デザイン、顧客対応、配送、品質、数字を担当する、10人の「AI社員」のチームである。

この記事はノウハウではありません

最初にお伝えしたいが、この記事はノウハウ記事ではない。
私は真剣だが、AIガチ勢の人からみたら遊んでいるようなものだと思う。実際、迷走している。ノウハウでも買おうかと思っているくらいだ。

ただ、その迷走の過程とともに、実際に事業を立ち上げるときにAIをどう使っていくかを記録しておきたいし、AIエージェントは日々成長できるものなので過程をお伝えしていきたい。

まずは「会社の記憶」を作った

以前は、仕事の経緯がチャットの中にしか残っていなかった。

新しい会話になるたびに、過去の説明をやり直す。説明し忘れたことは、そのまま存在しなかったことになる。AIは毎回かなり賢いのに、会社としては記憶喪失に近かった。

そこで、仕事の状態を残す共通の場所を作った。

  • 今どの仕事が進行中かを見る「仕事ボード」

  • チャットをまたいで続きを渡す「引き継ぎログ」

  • 撮影、確認、投稿など、人間が実際に行うことを残す「オーナータスク」

  • AIの作業と、注文・売上など現実の結果を分けて記録する「日報」

大事なのは、チャット履歴を会社の記憶にしないことだった。

AI社員は仕事を終えたら、成果物をフォルダへ保存し、状態と次の一手を更新する。間違いが分かった時も、古い判断を黙って消すのではなく、「何を、なぜ訂正したか」を引き継ぎへ残す。

別のチャットでも、別のAIでも、その記録を読めば途中から再開できる。

この仕組みができてから、「また最初から説明する」がかなり減った。地味だが、ここがすべての土台になった。

5年後の山頂と、今日の現在地を同じ画面に置いた

会社の記憶の次に、毎日見る「AIオフィス」の画面を作った。

いちばん上には、長期目標を山頂として表示している。途中の旗は、マイルストーン。

私の悪いクセは、AIを使うのが楽しすぎて、事業立ち上げよりもAIを使うのが目的になってしまう。そこで目標をわすれないようにこういうのが必要。

AI社員は10人。写真だけでも、二度作り直した

AI社員には、それぞれ名前、顔、担当をつけた。個人的にきれいな人たちと働きたいので、全員美女の画像にした。

経営担当は優先順位と未完了の回収を見る。SNS担当は、お客様が普段使う言葉と投稿の反応を見る。動画担当は、初めて見た人が商品を誤解しないかを見る。

人物像は、実在の経験を装うためではなく、同じ問題を別の角度から見るための業務ペルソナである。そして、全員を常に動かすこともしない。

よかったのは、放置仕事を見つけてきた時だった

過去のフォルダを読ませたら、私が忘れていた途中の仕事を、次々に見つけてきた。

数か月前の動画企画。途中まで作った素材。運用マニュアル。画像生成用の指示。完成しているのに、ファイル名の違いで未完成扱いになっていたもの。AIはそれらを読み、「何が終わっていて、どこから止まっているか」を整理した。

さらに、完成版と元データを残しつつ、不要なファイルなどを片付けた。止まっていたウェブサイトや動画も、過去の資料から続きを見つけて再開した。

新しいものを作る能力より、「過去の仕事を読み直して、続きを引き受ける能力」の方が、私には大きかった。

夫婦でどうしようかと途方にくれていた事業に、ある日突然、尻を叩く有能な担当が入ってきたような感覚だった。

指示待ちAIではなく、自ら提案し動くAIエージェントへ

AI側がどれだけ進めても、人間側が動かなければ止まる。しかも本業と事業を限られた時間で回していると、そういう仕事から順に後回しになる。

最初の画面には、「確認待ち」「アップロード待ち」のような状態名だけが並んでいた。私はそれを見ても、何を確認して、何と返せばよいのか分からなかった。

最初、AI社員たちは、私の仕事である確認待ちみたいなのを私がやらないと次のステップにいかなかった。私の指示がなければいっさいなにもしなかった。指示待ちしゃいんである。

このような状態は好ましくないので、「これをやりたい」と手を上げてもらうようにした。

Chat GPT WorkとClaude Code併用に

最初は、画像も作れるし、Chat GPT5.6も評価が高いので、Chat GPT Workを使っていたが、20ドル課金なので週間上限がわずか数時間でくる。

なんか2週間に1回上限をリセットできる機能があり、私は4回使えるようだったので毎日1回リセットしていただあと1回しか上限がなくなった。

Claudeは100ドル課金なので、管理してつかえばもっといろいろなことに使えそう。

今はFable5様にエージェント構成全体を見直してもらっているところ。今後は、メインはClaude Codeにして、スポット的に画像生成が必要なときはChat GPT Workを使っていくような感じで考えている。