はじめに

ベトナムに子会社を設立した日系企業が、ある日突然、税務当局から「あなたの会社は利益を不当に国外に移転している」と指摘される。親会社に支払っていたロイヤルティや経営管理料が全額否認され、数億円規模の追徴課税を受ける——。これは架空の話ではない。ベトナムで実際に起きていることだ。

日本では親子間取引の価格設定にそこまで神経質になる必要はない、と思っている方は多い。確かに日本の国税庁も移転価格税制を運用しているが、中堅企業が本格的な調査を受けることはそれほど多くない。しかしベトナムは違う。外資系企業の約半数が恒常的に赤字を計上しているという統計が報じられており、ベトナム税務当局はこれを「移転価格操作の兆候」と捉えているとされる。そして近年、移転価格調査は急速に厳格化している。

この記事では、ベトナムの移転価格税制の基本的な仕組みから、日系企業が特に注意すべき実務上のポイント、そして2025年の法改正による変化まで、体系的に解説する。

第1章 移転価格税制とは何か — なぜベトナムが厳しいのか

制度の基本的な考え方

移転価格税制(Transfer Pricing / Giá chuyển nhượng)とは、関連会社間の取引価格が市場価格(独立企業間価格)と乖離している場合に、税務当局が適正な価格に引き直して課税する制度である。

例えば、日本の親会社がベトナム子会社に製品を「高すぎる価格」で販売すれば、ベトナム子会社の利益は減り、ベトナムでの法人税が少なくなる。逆にベトナム子会社が親会社に「安すぎる価格」で完成品を輸出しても同じことが起きる。このような利益の移転を防ぐのが移転価格税制の目的だ。

ベトナムが厳しい背景

ベトナムの税務当局がこの問題に敏感な理由は明確だ。ベトナムに進出した外資系企業のうち相当数が帳簿上の赤字を計上しているとされ、長年にわたり赤字を報告しながら事業を拡大していた大手外資の実名が報道で挙がった例もある。ベトナム政府からすれば、「事業を拡大しているのに赤字とはどういうことか。利益を親会社に移転しているのではないか」という疑念は当然だろう。

この問題意識を受けて、ベトナムは Decree 132/2020/ND-CP で移転価格規制を大幅に強化した。OECDの移転価格ガイドラインをベースにしながらも、いくつかの点でOECD基準よりも厳格なルールを導入している。

法的根拠

ベトナムの移転価格税制の中核は Decree 132/2020/ND-CP(2020年12月20日施行)である。この政令は、それ以前の Decree 20/2017 および Decree 68/2020 を全面的に置き換えた。さらに2025年2月には Decree 20/2025/ND-CP が発布され、一部の定義と申告様式が改正されている。

第2章 「関連当事者」の定義 — あなたの取引相手は該当するか

思ったより広い「関連当事者」の範囲

移転価格規制の出発点は、取引相手が「関連当事者(Bên liên kết / Related Party)」に該当するかどうかだ。Decree 132は関連当事者を非常に広範に定義している。主なケースは以下の通りだ。

資本関係による関連当事者

  • 一方が他方の資本の 25%以上 を直接または間接に保有している場合
  • 第三者が双方のそれぞれ 25%以上 を保有している場合

経営支配による関連当事者

  • 一方が他方の経営・人事・財務を実質的に支配している場合
  • 経営陣の 50%以上 が相手方により指名されている場合

取引依存による関連当事者

  • ロイヤルティやライセンス料により売上の 50%以上 が相手方から発生する場合
  • 原材料の 50%以上 を相手方から調達している場合

融資関係による関連当事者

  • 借入残高が自己資本の 25%以上 かつ中長期負債総額の 50%超 の場合

日本の親会社が100%出資するベトナム子会社は、当然ながら資本関係で自動的に関連当事者に該当する。しかし注意すべきは、資本関係がなくても取引依存度や経営支配の実態によって関連当事者とみなされるケースがあるということだ。例えば、現地のディストリビューターや委託製造先が実質的に支配下にある場合も該当しうる。

2025年の定義変更 — 金融機関からの借入

Decree 20/2025 による重要な改正点として、融資取引における関連当事者の判定基準が変更された。従来は借入残高が自己資本の25%以上であれば関連当事者とされていたが、改正後は「自己資本の25%以上」かつ「中長期負債総額の50%超」の 両方 を満たす必要がある。

この改正により、銀行や金融機関からの通常のプロジェクトファイナンスが関連当事者取引から外れるケースが増えた。これは多くの外資系企業にとって朗報だ。特に、大型の設備投資のために現地銀行から融資を受ける製造業にとっては、利子の損金算入制限から解放される可能性がある。

第3章 独立企業間価格の算定 — 5つの方法と実務上の選択

価格算定の5つの方法

Decree 132は、独立企業間価格(Arm's Length Price)を算定するために5つの方法を規定している。

独立価格比準法(CUP法) は、同一または類似の取引について、無関係の第三者間の取引価格と直接比較する方法だ。最も直接的で信頼性が高いとされるが、完全に比較可能な取引を見つけることは実務上困難なことが多い。

再販売価格基準法(RPM) は、関連者から購入した製品を第三者に再販売する場合の粗利益率を基準にする方法。主にディストリビューターに適用される。

原価基準法(CPM) は、原価に適正な利益を上乗せした価格を算定する方法。受託製造(Contract Manufacturing)に適用されることが多い。

取引単位営業利益法(TNMM) は、営業利益率を比較対象企業と照合する方法で、ベトナムでは最も広く使用されている。

利益分割法(PSM) は、グループ全体の利益を各社の貢献度に応じて配分する方法で、高度な無形資産を伴う取引に使われる。

ベトナム独自のルール — ソフトヒエラルキーと国内比較優先

日本やOECDでは「最適方法ルール」、つまり状況に最も適した方法を自由に選択できるのが原則だ。しかしベトナムのDecree 132は、CUP法を最優先とし、次にRPMとCPM、最後にTNMMとPSMという 実質的な優先順位(ソフトヒエラルキー)を設けている。

さらに重要なのは、TNMMを使用する場合、ベトナム国内の比較対象企業を優先的に使用する ことが求められる点だ。国内で十分な比較対象企業が見つからない場合にのみ、海外のデータベース(Bureau van DijkのOrbis等)を使用できる。ベトナム国内の企業データは限られているため、この制限は実務上の大きな課題となっている。

四分位範囲の厳格化 — OECDより狭い許容範囲

移転価格の妥当性を判断する際、比較対象企業の利益率分布の中で「許容範囲」がどこまでかが重要になる。

項目 旧制度(Decree 20/2017) 現行制度(Decree 132/2020)
許容範囲 第25百分位〜第75百分位 第35百分位〜第75百分位
範囲外の場合の調整先 中央値 中央値

OECDガイドラインや日本の実務では第25百分位〜第75百分位が標準的だが、ベトナムは下限を第35百分位に引き上げた。これは何を意味するか。ベトナム子会社の利益率が比較対象企業の分布の中で下位35%未満に位置する場合、税務当局は中央値まで利益率を引き上げる調整を行う権限を持つ。つまり、ベトナムでは「少し低め」の利益率でも許容されず、中央値への引き上げを求められるリスクが日本より高い。

第4章 移転価格文書の3層構造 — 何を、いつまでに準備するか

OECDのBEPS対応:3つのファイル

Decree 132は、OECDのBEPS(Base Erosion and Profit Shifting/税源浸食と利益移転)アクション13に沿った3層構造の文書化を要求している。

マスターファイル は、多国籍グループ全体の事業概要、組織構造、移転価格ポリシー、グローバルな所得配分、無形資産の所有状況、グループ間の資金調達取引などを記載する文書だ。通常、グループ本社(日本本社)が作成し、各国の子会社に提供する。

ローカルファイル は、ベトナム法人固有の情報を記載する。具体的には、ベトナム法人の事業内容と組織構造、関連当事者取引の詳細(取引の種類、金額、条件)、機能分析(どのような機能を果たし、どのような資産を使い、どのようなリスクを負っているか)、経済分析(適用した算定方法とその根拠)、比較対象企業の選定プロセスと財務分析が含まれる。

国別報告書(CbCR) は、グループの連結売上高が VND 180,000億(約750百万ユーロ相当)以上の場合にのみ作成義務がある。各国別の収入、税引前利益、納付税額、従業員数、資本金等を記載する。

文書化が免除されるケース

すべての企業が完全な移転価格文書を準備する必要があるわけではない。以下の条件に該当する場合は免除される。

売上高・取引額基準による免除:年間売上高が VND 500億未満 かつ関連当事者取引総額が VND 300億未満 の場合。ただし、免除されるのはローカルファイルの作成義務であり、年次のAppendix I(関連当事者取引申告書)の提出義務は残る。

簡易機能・最低利益率基準による免除:売上高が VND 2,000億未満 で、単純な機能(販売、製造、受託製造)のみを遂行し、かつ以下の最低営業利益率を達成している場合。

機能 最低営業利益率
販売(Distribution) 5%以上
製造(Manufacturing) 10%以上
受託製造(Toll Manufacturing) 15%以上

この免除規定は、一定の利益率を確保していれば詳細な文書化までは求めないという実務的な配慮だが、裏を返せば「この利益率を下回ったら文書化義務が発生する」というメッセージでもある。

提出期限と罰則

移転価格文書は、CIT(法人所得税)確定申告書の提出期限(会計年度終了後3ヶ月の最終日)までに 作成・保管 を完了しなければならない。ただし、税務当局への自主的な提出は不要で、税務当局の書面による要請を受けた場合に30営業日以内 に提出する。正当な理由があれば15営業日の延長が1回だけ認められる。

罰則は軽視できない。Appendix Iを未提出の場合は VND 800万〜1,500万(約5万〜9万円)のペナルティが課されるとされる。金額は小さく見えるが、問題は移転価格の「過少申告」が認定された場合だ。過少申告税額の 20% のペナルティに加え、日次0.03%(年率約11%)の延滞税 が課されるのが実務上の扱いと言われる。数年分の調整がまとめて行われると、ペナルティだけで数千万円規模になることもある。

第5章 利子の損金算入制限 — EBITDA30%ルールの衝撃

親会社からの借入が「見えない税金」になる

Decree 132第16条は、関連当事者からの借入に係る利子費用の損金算入を EBITDAの30% に制限している。これは日本のThin Capitalization規制(負債対資本比率3:1基準)とは根本的に異なるアプローチだ。

計算式

損金算入可能利子 = EBITDA × 30%
EBITDA = 純利益 + 支払利息 + 減価償却費 + 法人税

設立初期に最もダメージが大きい

このルールが特に厳しく効くのは、設立初期の企業だ。工場建設期間中は売上がほぼゼロ、EBITDAはマイナス(赤字)になることが多い。この状態で親会社から数百万ドル規模の借入をしていると、利子費用の損金算入がほぼゼロになり、利子を払っているのに税務上の恩恵が得られないという状況に陥る。

非損金算入となった利子は 5年間繰り越し が可能で、将来のEBITDAの30%枠内で順次損金算入できる。しかし5年以内にEBITDAが十分に拡大しなければ、その利子は永久に損金算入できないまま消滅する。

対策としての資金調達構造の設計

この制限を踏まえ、ベトナム子会社への資金供給は以下の視点で設計する必要がある。

親会社からの貸付を最小限にし、資本金(出資)の比率を高める方法がある。資本金には利子が発生しないため、EBITDA30%制限の影響を受けない。ただし、資本金を大きくすると将来の利益送還(配当)時の手続きが変わる。

また、Decree 20/2025の改正により、金融機関からの借入が関連当事者取引から外れるケースが増えた。現地銀行からのプロジェクトファイナンスを活用することで、EBITDA30%制限を回避しつつ資金を確保する選択肢も検討に値する。

第6章 税務調査で狙われるポイント — ベトナム税務当局の目線

ロイヤルティ・ライセンス料の否認

日系企業が最も指摘を受けやすいのが、親会社へのロイヤルティ支払いだ。ベトナム税務当局は、ロイヤルティがベトナム子会社に 具体的な経済的便益 をもたらしているかを厳格に検証する。

「親会社のブランドを使っている」「親会社の技術を使って製造している」というだけでは不十分とされることが多い。税務当局が求めるのは、「そのロイヤルティを支払うことで、ベトナムでの売上がいくら増えたか」「コストがいくら削減されたか」という 定量的な立証 だ。

立証が不十分と判断された場合、ロイヤルティの全額が損金不算入となり、法人税の追徴に加えてペナルティと延滞税が課される。

グループ内サービス料(Management Fee)の実態確認

親会社が提供する「経営管理サービス」や「技術サポートサービス」の対価も厳しく精査される。税務当局が注目するのは以下の点だ。

サービスの内容が具体的に文書化されているか。「経営指導」「技術支援」といった漠然とした名目では認められない。誰が、いつ、何時間、どのようなサービスを提供したのか、その記録が必要だ。

そのサービスがベトナム子会社にとって本当に必要だったか。親会社が株主としての利益のために行った活動(Shareholder Activity)の費用をベトナム子会社に転嫁していないかが問われる。

対価の水準が適正かどうか。同等のサービスを外部の第三者から調達した場合のコストと比較して、著しく高額でないか。

連年赤字企業への集中調査

ベトナム税務当局は、外資系企業の恒常的な赤字を移転価格操作の兆候とみなしている。特に3年以上連続で赤字を計上している企業は、移転価格調査の対象として優先度が高くなる。

設立初期の赤字はある程度許容されるが、工場が稼働を開始し、本格的な製造・販売活動が始まった後も赤字が続く場合は注意が必要だ。事前に事業計画上の赤字期間を合理的に説明できる資料(設備投資計画、市場参入戦略、損益分岐点分析等)を準備しておくことが重要である。

利益率の急変動

年度間で営業利益率が大きく変動する場合も、税務当局の関心を引く。例えば、前年度の営業利益率が8%だったのに翌年度に2%に急落した場合、「関連当事者取引の価格を操作したのではないか」と疑われる可能性がある。利益率変動の合理的な理由(原材料価格の変動、為替の影響、新規設備投資による減価償却増加等)を文書化しておくべきだ。

第7章 日本との違い — 「日本の常識が通じない」ポイント

四分位範囲のギャップで二重課税が発生する

最も実務的な問題は、日本とベトナムで許容される四分位範囲が異なることだ。日本では第25百分位〜第75百分位が標準的だが、ベトナムは第35百分位〜第75百分位を採用している。

あるベトナム子会社の営業利益率が比較対象企業分布の第30百分位に位置していたとする。日本では第25百分位〜第75百分位の範囲内なので問題ないが、ベトナムでは第35百分位を下回っているため、税務当局は中央値まで利益率を引き上げる調整を行う。結果として、日本では適正とされた利益配分がベトナムでは否認され、日越で二重課税が発生するリスクがある。

ロイヤルティへの姿勢が根本的に異なる

日本の税務当局は、親会社が保有する技術やブランドに対する子会社からのロイヤルティ支払いについて、それが独立企業間価格であれば比較的寛容だ。しかしベトナムの税務当局は、そもそも「そのロイヤルティ支払いに経済合理性があるのか」という入口のところから疑ってかかる傾向がある。

日本の感覚で「親会社が持っている技術を使っているのだから、ロイヤルティを払うのは当然」と考えていると、ベトナム側から「その技術がなくてもベトナムで同じ製品を作れたのではないか」「そのブランドはベトナム市場でどれだけの認知度があるのか」と厳しい質問が飛んでくることになる。

利子の損金算入制限のアプローチが全く違う

日本のThin Capitalization規制は、関連者間の負債対資本比率が3:1を超える場合に超過部分の利子を否認するという「ストック(残高)ベース」の制限だ。一方、ベトナムはEBITDAの30%という「フロー(利益)ベース」の制限を採用している。

ストックベースの制限は比較的予測しやすく、資本金と借入のバランスを一定に保てばよい。しかしフローベースの制限は、年度ごとの利益水準によって損金算入可能額が変動するため、予測と管理が格段に難しい。特に設立初期や業績悪化時にEBITDAが小さくなると、利子の損金算入がほぼ認められなくなるというリスクがある。

文書化の言語問題

日本では移転価格文書を日本語で作成するが、多くの場合、海外の比較対象データは英語で整理される。ベトナムでは税務調査時に ベトナム語 での文書提出が求められる。英語で準備していても、調査が入れば公認翻訳が必要になり、突然のコストと時間が発生する。最初からベトナム語版を並行して整備しておくか、少なくとも翻訳のリードタイムを見込んだスケジュール管理が必要だ。

ここが変わった(2025〜2026年)

Decree 20/2025 — 関連当事者の定義緩和と新様式

2025年2月に発布された Decree 20/2025/ND-CP は、Decree 132の一部を改正した。主な変更点は以下の通りだ。

関連当事者の定義変更:融資取引における関連当事者の判定基準に「中長期負債総額の50%超」要件が追加された。これにより、金融機関からの通常借入が関連当事者取引から外れるケースが増えた。

Appendix Iの改訂:関連当事者取引の申告様式が更新され、2024年度CIT申告から新様式が適用される。

過年度利息の経過措置:2020〜2023年度にDecree 132の下で金融機関との取引が関連当事者に該当していた企業は、Decree 20により関連当事者から外れた場合、過去の非損金算入利息を2024年・2025年に均等配分して損金算入可能。

グローバル最低税との交錯

Decree 236/2025 によるグローバル最低税率 15% の導入は、移転価格戦略にも影響を与える。従来、ベトナムのCIT優遇税率(10%や17%)を活用した利益配分が可能だったが、最低税率15%により、各国での実効税負担が一定水準以上になることが求められる。移転価格ポリシーの設計は、グローバル最低税の影響を織り込んで行う必要がある。

CIT法2025 — 工業団地優遇の廃止

CIT法2025(2025年10月1日施行)による工業団地内企業へのCIT優遇廃止は、移転価格の文脈でも見逃せない。ベトナム子会社の税負担が増加することで、グループ内の利益配分バランスの再検討が必要になる可能性がある。

まとめ:やっておくべきこと

  1. 設立前に移転価格ポリシーを策定する — すべての関連当事者取引(製品売買、ロイヤルティ、管理料、貸付、駐在員費用)を洗い出し、それぞれの価格設定方針を文書化する

  2. 資金調達構造を慎重に設計する — EBITDA30%ルールを踏まえ、親会社からの貸付と資本金の比率を最適化する。現地銀行からの融資活用も検討する

  3. ロイヤルティの経済的便益を事前に立証可能にしておく — 技術やブランドがベトナムでの事業にどう貢献するかを定量的に整理する

  4. 初年度からローカルファイルの雛形を準備する — 売上高基準で免除される場合でも、税務調査に備えて基本的な文書は整備しておく

  5. ベトナム語での文書化を計画に織り込む — 英語で作成した後のベトナム語翻訳のリードタイムとコストを見積もっておく

  6. 比較対象企業のベンチマークスタディを実施する — ベトナム国内の比較対象企業を優先的に選定し、海外データの使用は補助的な位置づけにする

  7. 利益率の推移を定期的にモニタリングする — 四分位範囲(第35百分位〜第75百分位)内に収まっているかを年次で確認する

  8. Appendix Iの新様式を確認する — Decree 20/2025で改訂された新様式の記載要領を現地会計事務所に確認する

  9. 設立初期の赤字について合理的な説明資料を準備する — 事業計画、設備投資計画、損益分岐点分析等を整理し、赤字が移転価格操作ではなく事業上の必要な投資期間であることを説明できるようにする

  10. 日本本社の税務部門と連携する — 日越の二重課税リスクを最小化するため、日本側・ベトナム側の移転価格ポリシーの整合性を確保する


参照時点と主要根拠法令

本記事は2026年3月時点の調査に基づいています。法令は改正されるため、実務の判断は現行の一次資料で確認してください。

主要根拠法令: Decree 132/2020/ND-CP、Decree 20/2017、Decree 68/2020、Decree 20/2025/ND-CP、Decree 236/2025、CIT法2025