これはAnthropic非公式の個人教材です。 Claude Academy の "Claude Code 101" を受けた個人が、自分に分かる形に組み直したものです。Anthropic社とは関係がなく、同社の承認を受けたものでもありません。 本文はAIに書かせ、公開前に人の目で通しています。画面と操作の記述は、2026年8月時点のAnthropic公式ドキュメントに照らして確かめました。ただしアプリの更新でボタン名や配置は変わります。表示が違う場合は公式ドキュメントを優先してください。


このページを開いたあなたへ

半年後の朝を、少しだけ想像してみてください。

机の上にはコーヒー。頭の中には、今日やるべき仕事が六つ。どれから始めても、別の仕事が気になります。

以前なら、メールを開き、資料を探し、気づけば一時間が過ぎていたかもしれません。

でも、その日のあなたはClaude Desktopを開きます。

今日17時までに、提案の骨子を決めたい。
このフォルダの資料を調べてください。まだ何も作らず、変更もしないでください。
そのうえで、答えないと先へ進めないことだけ質問してください。多くても3つ。

Claudeが資料を読む。答えないと進めないことだけ、短く聞いてくる。

あなたは、それに答える。計画が出る。

あなたは一つだけ、「ここは違う」と直す。

数分後、白紙だった仕事に輪郭が現れます。

これは、AIがあなたの代わりに働く未来ではありません。

あなたが迷いを整理し、判断し、仕事を前へ動かせる未来です。

この違いは大きい。

Claudeを半年使っていても、「便利だけれど、何かを任せ切れない」「結局、毎回長い指示を書いている」と感じる人は少なくありません。もしあなたにも心当たりがあるなら、使い方が下手だったわけではありません。

まだ、Claudeを「答えを出す箱」として使っていただけです。

このワークブックでは、その箱をあなた専用の仕事机に変えます。

読んで理解する教材ではありません。実際に作り、あえて迷わせ、止め、拒否し、記憶を消し、ルールを書き換えます。

最後には、昨日まで存在しなかった小さな仕事道具が、あなたのフォルダに残ります。

それが、この教材の修了証です。


今回つくるもの

名前は「NEXT MOVE|今日を動かす一手」。

朝、頭の中が散らかっているときに開く、あなた専用の小さなWebアプリです。

入力するのは三つだけ。

  • 今日、どこまで行けば「終わった」と言えるか
  • 頭から離れない気がかり
  • 次の15分で行う一手

画面を閉じても、入力は残ります。見た目は、夜明け前の濃紺、紙のような生成り、最初の光を思わせる琥珀色。

なぜ、プロフィールページではなく仕事道具を作るのか。

答えは簡単です。

人は、役に立たない練習を続けられないからです。

この一つの道具を育てながら、Plan Mode、Diff、Preview、Side chat、/context、/compact、/clear、そしてCLAUDE.mdを使います。

けれど、機能名を覚える必要はありません。

「困ったときに、あの操作を使えばいい」と体で分かれば十分です。


始める前に、三つだけ約束してください

約束1 Claude DesktopのCodeタブを使う

この教材はターミナル版ではなく、Claude DesktopのCodeタブ専用です。

Codeタブを開き、新しいセッションで次を選びます。

  • EnvironmentはLocal
  • Select folderから、このあと作る練習フォルダを選ぶ
  • Permission modeはManual

Manualは、ファイルを変える前に必ず一度あなたに見せて止まるモードです。以前のバージョンではAsk permissionsという名前でした。手元の画面がその表示なら、それが同じものです。

WindowsでLocalセッションを使うにはGitが必要です。すでにClaude Desktopでローカルフォルダを開けているなら、その準備は終わっています。

もう一つだけ、先に済ませてください。この教材はMISSION 5でファイルペインを使います。Help → Check for Updatesでアプリを更新しておいてください(v1.2581.0以降が必要です)。

約束2 本番の仕事フォルダは使わない

エクスプローラーで、ドキュメントの中に空のフォルダを作ってください。

NEXT-MOVE-LAB

上のフォルダにCLAUDE.mdがあると、それも一緒に読み込まれます。だから練習フォルダは、何も入っていない場所に新しく作ってください。

空っぽのフォルダを見ると、少し頼りなく感じるかもしれません。

でも、空っぽだからいいのです。

壊すものがない場所では、人は大胆に試せます。

約束3 うまくやろうとしない

この教材では、一度はClaudeを止めます。一度は提案を拒否します。会話もわざと散らかします。

失敗するためではありません。

車の教習で、アクセルだけ練習する人はいません。安全に進むには、ブレーキの感覚も必要です。

Claudeを使いこなす人は、最高の指示を書ける人ではありません。

違うと思った瞬間に止められる人です。

準備ができたら、最初のミッションへ進みましょう。


進み方 ── 上から順に、5回

このページは、上から順に読んで、順に手を動かす形にしてあります。

どこから始めるか迷う必要はありません。次の見出しが、次にやることです。

一度に全部やらなくて構いません。1回ずつ、日を分けてください。

回 やること 時間の目安 終わったときに残るもの
1回目 MISSION 1・2 90分 Previewで動く index.html
2回目 MISSION 3 45分 自分の言葉で直した画面
3回目 MISSION 4 45分 /context と /compact の前後の比較
4回目 MISSION 5 60分 CLAUDE.md、before.html と after.html
5回目 MISSION 6 2時間 本当の仕事の成果物が1つ

四週間で1回ずつ進めても、一日で駆け抜けても構いません。

6つのミッションを、5回に分けてあります。最後の MISSION 6 まで来ると、練習が仕事に変わります。

各ミッションの頭には「終わったと言えること」を先に置いてあります。

作り始める前に完成条件を見る。それ自体が、この教材で覚えてほしいことの一つです。


MISSION 1 最短で作りたいなら、まず作らせない

時間の目安:20分

終わったと言えること

  • 練習用の空フォルダで、新しいセッションを作った
  • 何も変更させずに、フォルダの中を説明させた
  • Claudeに3つ質問させ、自分の言葉で答えた

たいていの人は、Claudeを開くとすぐに「これを作って」と入力します。

気持ちは分かります。早く結果を見たい。

ところが、ここに最初の落とし穴があります。

Claudeがあなたのフォルダも、好みも、目的も知らないまま走り出すと、あとで説明と修正が増えます。

急いでいるときほど、最初の数分を調査に使う。

遠回りに見えます。けれど私の場合は、これがいちばん速く済みました。

まず、仕事場を見せる

Claude DesktopのCodeタブでNew sessionを作ります。

  • Environment:Local
  • Select folder:NEXT-MOVE-LAB
  • Permission mode:Manual

ターミナル版で使うShift + Tabは、Desktopでは使いません。権限は送信ボタン横のモード選択から変えます(WindowsはCtrl + Shift + Mでも開きます)。

準備ができたら、次をそのまま入力してください。

ここは、私がClaude Desktopの使い方を体験するための練習フォルダです。

まず、このフォルダの中を確認してください。
まだファイルの作成・変更はしないでください。

確認後、次の2つだけを日本語で教えてください。
1. 今、このフォルダに何があるか
2. ここで最初の作品を作るために、答えないと先へ進めないこと(多くても3つ)

空のフォルダですから、Claudeはたいてい「何もない」と答えます。

それでいい。

大切なのは、そのあとです。Claudeから質問が返ってきます。

ここで、主従関係が少し変わったことに気づくでしょうか。

あなたがすべてを説明するのではなく、Claudeに必要なことを聞かせたのです。

これだけで、プロンプト作りの負担はずいぶん軽くなります。

自分の好みを、きれいに言おうとしない

Claudeの質問に答えてください。

言葉が出なければ、次を使って構いません。

1. 仕事で本当に使えるものにしたい
2. 落ち着いているが、開くと少し気持ちが上がる見た目がよい
3. 外部サービスへは接続せず、このフォルダだけで動かしたい

「少し気持ちが上がる」など、曖昧ではないかと思いましたか。

今は、それで十分です。

曖昧な感覚を、あとでClaudeと一緒に具体化します。最初から完璧な言葉を持っている必要はありません。

ここで立ち止まる

まだファイルは一つもできていません。

それでも、あなたはすでに三つのことを行いました。

  1. Claudeの作業範囲を限定した
  2. 変更前に現状を確認させた
  3. 足りない情報をClaudeから質問させた

これは地味ですが、実務で事故と手戻りを減らす基本です。

次の三行だけ、紙かメモへ残してください。

Claudeに聞かれて初めて気づいたこと:
伝えにくかった自分の好み:
次はClaudeに質問してほしいこと:

では、いよいよ白紙から形を出します。


MISSION 2 青写真を見てから、工事を始める

時間の目安:70分

終わったと言えること

  • Plan Modeで実装計画を作らせた
  • 計画を一か所、自分の判断で変えた
  • Diffを開き、ファイル名・外部URL・表示文の3つを確認した
  • 一度はRejectした
  • Previewで、入力・再読み込み・リセットを自分で試した

ここで、少し意外なことを言います。

Claudeがコードを書けることは、さほど重要ではありません。

本当に価値があるのは、コードを書く前に「何を、なぜ、どこまで作るか」を一緒に決められることです。

完成像を握らないまま始めると、Claudeはよく働きます。そして、ときどき盛大に余計なものまで作ります。

だから、最初に青写真を広げます。

Plan Modeへ切り替える

送信ボタン横のモード選択からPlanを選んでください。

Planでは、Claudeはまず調べ、考え、計画を作ります。ソースには手を入れません。

あなたが計画を認めるまで、工事は始まりません。ただしこれは設計であって、あなたの代わりに責任を取る仕組みではありません。本番の仕事フォルダで試さないという約束2は、ここでも生きています。

Planは、そのセッションの間だけ効きます。フォルダに覚えさせておくことはできません。

次を入力します。

このフォルダに、私専用のローカルWebアプリ
「NEXT MOVE|今日を動かす一手」を作りたいです。

目的:
頭の中が散らかっている朝でも、今日のゴールと次の15分を決められるようにする。

必要な機能:
- 「今日、終わったと言える状態」を1つ入力できる
- 気がかりを自由にメモできる
- 「次の15分でやる一手」を1つ入力できる
- 入力内容をブラウザに保存できる
- 内容を消すリセットボタンがある

見た目:
- 夜明け前の紺、紙のような生成り、火を灯す琥珀色
- 静かだが、開くと行動したくなる
- 日本語が読みやすい
- スマートフォンでも使える

制約:
- index.html 1ファイルで動く
- 外部ライブラリ、外部フォント、外部通信を使わない
- コード初心者にも追える程度の単純さにする

完成条件:
- Claude DesktopのPreviewで操作できる
- 再読み込みしても入力が残る
- リセット前に確認が出る
- 画面を狭くしても横にはみ出さない

まずフォルダを調べ、実装計画と確認方法を示してください。
まだファイルは変更しないでください。

長いプロンプトに見えます。

しかし、やっていることは四つだけです。

何のために作るか。何が必要か。何をしないか。どうなれば完成か。

仕事の依頼も、この四つがあれば、かなりのところまで進みます。

良い計画でも、一か所だけ変える

Claudeの計画を読んでください。

全部を理解していなくても進めます。見るのは次の点だけです。

  • ファイルはindex.html一つか
  • 頼んでいない外部サービスを使わないか
  • 保存とリセットの確認方法があるか

問題がなくても、今回は一か所だけ変更します。

計画のうち、リセットボタンは目立たせず、画面の一番下に静かに置いてください。
それ以外は、この計画で進めてください。

なぜ、わざわざ変えるのか。

Claudeの計画を受け取るだけの人から、計画へ意思を入れる人へ変わるためです。

小さな変更で構いません。「自分が決めた」という感覚が大切です。

Diffは、コードの試験ではない

計画を承認し、実装へ進みます。

変更が表示されたらDiffを開いてください。

コードが読めないと、ここで身構える人がいます。

コードの試験ではありません。

まずは三つだけ探します。

  • 作ると言っていたファイル名か
  • 見知らぬWebサイトのURLが入っていないか
  • 画面に出る日本語が希望どおりか

「タスク」という言葉が気に入らなければ、Rejectしてみましょう。

この変更は、まだ受け入れません。
表示文の「タスク」を「次の一手」に変えてから、もう一度Diffを見せてください。

Rejectを押すと、Claudeに悪い気がするかもしれません。

その遠慮は不要です。

拒否は失敗ではありません。Claudeへ、あなたの判断基準を教える操作です。

Previewで、作品に触れる

変更を受け入れたら、チャットに出ているindex.htmlのパスをクリックします。Browserペインでそのまま開きます(WindowsはCtrl + Shift + Bでも開けます)。

画面が現れた瞬間を、少し味わってください。

数十分前、このフォルダは空でした。

いまは、あなたの考えが動く形になっています。

次を順番に試します。

  1. 三つの欄に入力する
  2. ページを再読み込みする
  3. 入力が残っているか見る
  4. リセットを押す
  5. 確認画面が出るか見る
  6. Previewの幅を狭くする

動かなかったら、がっかりする必要はありません。

むしろ、ここからがClaude Codeらしい時間です。

Previewで確認しました。
「再読み込みすると入力が残る」という完成条件を満たしていません。
原因を確認し、必要最小限の修正を提案してください。
ほかの見た目は変えないでください。

「直して」ではなく、どの完成条件が満たされていないかを伝える。

私の場合は、これで直しの往復がはっきり減りました。

このミッションで、本当に作ったもの

作ったのはWebアプリだけではありません。

あなたは、調査、計画、修正、確認という小さな仕事の型を一周しました。

次を埋めてから、先へ進んでください。

Claudeに任せてよかった部分:
自分で決めてよかった部分:
完成条件が役に立った瞬間:

MISSION 3 良いプロンプトを一発で書く、という幻想を捨てる

時間の目安:45分

終わったと言えること

  • わざと曖昧な依頼を出し、実装が始まる前に止めた
  • 三つの方向の案を出させ、一つ選んだ
  • 変えてよい場所と、触らない場所を指定した
  • Side chatで、本筋と横道を分けた
  • 保存機能が壊れていないことをDiffで確かめた

Claudeを使う人が疲れる原因の一つは、「最初から完璧に説明しなければ」と思うことです。

でも、人間同士の仕事でも、一回の説明で完成することは多くありません。

見て、感じて、違いを言う。

その往復で、欲しいものが見えてきます。

あえて、悪い依頼をする

今のセッションで、次を送ってください。

もっとワクワクする画面にしてください。

かなり曖昧な依頼です。

Claudeがすぐに変更を始めたら、停止ボタンかEscで止めます。

止めることに慣れてください。

そして、次を送ります。

いったん止めてください。
「ワクワク」を勝手に解釈せず、次の3方向で案を出してください。

A. 静かな高揚感
B. 冒険の始まり
C. 仕事道具としての精密さ

各案について、色・言葉・動きがどう変わるかを説明してください。
まだ編集しないでください。

曖昧な言葉が悪いのではありません。

曖昧なまま、実装へ進ませることが危ないのです。

Claudeに選択肢を出させると、「自分が嫌なもの」も見えてきます。好みが言えない人は、嫌いな案から消していけばいい。

変える場所と、守る場所を分ける

今回はAを選びます。

Aの「静かな高揚感」を選びます。
見出し、ボタン、背景だけを調整してください。
入力機能と保存機能は変更しないでください。

ここでのポイントは、変更してほしい場所より、「触らないでほしい場所」です。

AIは勤勉です。頼んでいない整理までしてくれることがあります。

だから、守るものを先に言う。

Diffを開き、保存処理まで変わっていないか確認してください。コードが読めなくても、変更行がJavaScript部分に広がっていないかは見えます。

横道はSide chatへ逃がす

作業中、こんな疑問が出るかもしれません。

「入力した内容は、どこに保存されているのだろう」

大切な疑問です。ただし、メインの会話で聞くと本筋が少し長くなります。

WindowsではCtrl + ;でSide chatを開きます。

このindex.htmlで入力内容を保存している仕組みを、
「机の引き出し」のたとえを使って初心者向けに説明してください。

説明を読んだらSide chatを閉じます。

メインの作業は、何事もなかったように続けられます。

これも立派なコンテキスト管理です。

コンテキスト管理とは、コマンドで掃除することだけではありません。話の本筋へ、何を入れないか決めることでもあります。

小さな答え合わせ

ここまでで、あなたはClaudeを止め、曖昧さを選択肢へ変え、変更範囲を限定し、横道を別の会話へ逃がしました。

一発で完璧なプロンプトは書いていません。

それでも、最初より自分らしい画面に近づいています。

これが、実務で使えるAIとの付き合い方です。

Claudeが勝手に解釈した「ワクワク」:
自分が選んだ「ワクワク」:
次に守ってほしいもの:

MISSION 4 コンテキストは、掃除するものではなく編集するもの

時間の目安:45分

終わったと言えること

  • わざと25案の寄り道を作った
  • /context と使用量リングを見た
  • 残す情報を自分で指定して /compact した
  • 圧縮のあとも、プロジェクトの目的が残っていた
  • 会話の中だけに「紫ボタン」のルールを置いた

半年Claude Codeを使っているのに、/contextも/compactも/clearも使ったことがない。

それを聞いて、「使いこなせていなかったのか」と思う必要はありません。

Claude Codeは、コンテキストがいっぱいになると自動で古い結果を整理し、必要なら会話を要約します。仕事ごとに新しいセッションを作っていたなら、手動コマンドの出番がなかった可能性が高いのです。

ただし、このとき会話の初めのほうに書いた細かい指示は失われることがあります。あとで出てくるCLAUDE.mdが要る理由は、ここにあります。

では、なぜ学ぶのか。

困ったとき、偶然に任せず、自分で焦点を戻せるようにするためです。

この三つのコマンドは、毎日使う掃除道具ではありません。

長い仕事で道に迷ったときに開く地図です。

コンテキストを「舞台」と考える

コンテキストは、Claudeが持つすべての知識ではありません。

このセッションの舞台に、いま出ているものです。

会話。読んだファイル。実行結果。CLAUDE.md。自動メモリ。読み込んだSkillsやツール。そして、あなたには見えないシステム指示。

小道具が増えすぎると、主役が見えにくくなります。

そこで使うのが三つの操作です。

  • /context:舞台全体を引いて見る
  • /compact:本編だけ残して、長い撮影素材を編集する
  • /clear:同じ場所で、会話だけ新しく撮り直す

別の仕事へ移るなら、DesktopではNew sessionの方が分かりやすいことも覚えておいてください。

実験1 わざと会話を散らかす

ここからは実験です。

メインセッションに、わざと長い寄り道を入れます。

この画面のボタン文言を考えるため、候補を25個出してください。
各候補に、印象、向いている利用者、弱点を付けてください。
まだファイルは変更しないでください。

「25個も要らない」と思ったでしょう。

その感覚で正解です。いまは、不要な情報が増えた状態を人工的に作っています。

回答が終わったら、入力します。

/context

モデル選択付近の使用量リングも見てください。

数字の意味を覚える必要はありません。ただ、「会話にも場所代がかかる」と目で確認できれば十分です。

/contextで目立っていたもの:
使用量リングのおおよその状態:

実験2 本筋だけを救出する

次を入力します。

/compact NEXT MOVEの目的、確定したデザイン、完成条件、変更したファイル、残っている作業だけを残してください。ボタン文言25案の比較過程は捨ててください。

大事なのは、ただ/compactと打たないことです。

何を残すか、自分で編集方針を渡します。

圧縮後に、Claudeへ聞いてください。

このプロジェクトの目的、すでに完成したこと、次に確認すべきことを3行で答えてください。

本筋が残り、25案の細かな比較が消えていれば成功です。

ここで初めて、/compactの意味が腹に落ちると思います。

記憶を小さくするためだけの機能ではありません。

「この物語では何が大事か」を、Claudeへもう一度教える機能です。

実務で使うなら、こんなとき

数時間続いた同じ仕事で、調査結果やエラー出力が増えたとき。

三つの案を検討し、採用案は一つに決まったのに、Claudeが不採用案を持ち出すとき。

セッションを変えたくはないが、次の作業へ焦点を合わせ直したいとき。

そんなときだけ、/compactを思い出せば十分です。

実験3 会話だけの秘密を置く

次は、記憶の層を見分ける実験です。

このセッションだけの仮ルールです。
今後、メインボタンは紫色にしてください。
このルールをCLAUDE.mdやファイルには保存しないでください。

続けて聞きます。

今、メインボタンを何色にするルールですか?

「紫」と返ってくれば準備完了です。

この紫は、会話の中にしか存在しません。

次のミッションで、もっと強い記憶と衝突させます。

三行だけ、書き残してから進んでください。

/compactの前と後で、Claudeの答えはどう変わったか:
これまでの仕事で、/compactが役に立ちそうだった場面:
逆に、New sessionにした方がよかった場面:

MISSION 5 AIが作ったCLAUDE.mdは、まだあなたのものではない

時間の目安:60分

終わったと言えること

  • ルールが会話にしかない状態で before.html を作った
  • Claudeに CLAUDE.md の初稿を作らせた
  • 推測で書かれた部分を自分で削った
  • 自分の手で「このプロジェクトの人格」を書き足した(空欄を自分の言葉で埋めた)
  • /clear のあとに色のルールを聞き、/context で Memory files を確かめた
  • 同じ依頼で after.html を作り、二つを見比べた

Claudeに「CLAUDE.mdを作って」と頼めば、きれいなファイルを作ってくれます。

でも、ここにもう一つ落とし穴があります。

AIが作っただけのCLAUDE.mdは、既製服です。

着ることはできます。けれど、肩幅も、袖の長さも、あなたには合っていないかもしれません。

自分の手で一行直したとき、初めて仕事着になります。

今回は、その違いを目で見ます。

まず、会話だけにルールがある状態を保存する

比較用の小さな画面を作ります。

比較実験をします。

「今日を動かす一手」という見出しと、
「始める」というボタンがあるヒーローカードを、before.htmlとして作ってください。
既存のindex.htmlは変更しないでください。
デザインはあなたに任せます。

Diffを確認し、受け入れます。Previewでbefore.htmlを開いてください。

MISSION 4の「紫」がボタンに現れたら、第一段階は成功です。これはファイルに保存されていない、今の会話だけの好みです。

好きか嫌いかを決めなくて構いません。

ただ、見えたものを書きます。

before.htmlの色:
言葉から受ける印象:
余白や形から受ける印象:

Claudeに初稿を作らせる

次を送ります。

このプロジェクトを調べ、今後のセッションで必要なルールをまとめた
CLAUDE.mdの初稿を作ってください。

含めるもの:
- プロジェクトの目的
- 主なファイル
- 使ってよい技術と避ける技術
- Previewでの確認項目
- 日本語で説明すること

ファイルは、この練習フォルダの直下に`CLAUDE.md`という名前で作ってください。
`~/.claude/CLAUDE.md`(私の全プロジェクトに効く設定)には触れないでください。

今のプロジェクトから確認できない好みは、勝手に作らないでください。
まず内容案を見せ、承認後に作成してください。

Claudeの案を読んで、二つに分けてください。

実際のファイルから確認できる事実か。

Claudeが「きっとこうだろう」と推測した好みか。

推測が混ざっていたら、遠慮なく消します。先ほどの紫色を永続ルールとして持ち込んできた場合も削ってください。紫は、今回のセッションだけの実験だからです。

確認できる事実だけを残してください。
私の好みを推測した部分は削除してから、CLAUDE.mdを作成してください。

ここからは、自分の手で書く

ClaudeがCLAUDE.mdを作ると、チャットにファイルのパスが出ます。そのパスをクリックしてください。ファイルペインが開きます。

.mdはファイルペイン、.htmlはBrowserペイン。開く場所が分かれていることも、ここで見ておいてください。

そして、次を自分の手で追記してください。コピーしても構いません。ただし、最後の一行だけは、自分の言葉に変えてください。

書き終えたら、ペインのSaveを押します。**押すまでディスクには書かれません。**うまく書けないときは、パスを右クリックしてOpen inから普段のエディタで開くか、Show in Explorerでフォルダを開いてください。

## このプロジェクトの人格

- 読んだ人を急かさず、それでも次の一歩を踏み出したくなる言葉を使う。
- 説明は日本語で、短く具体的にする。
- 見た目は「夜明け前から、最初の光が差す瞬間」。
- 基本色は生成り #F7F1E3、濃紺 #182433、琥珀 #C86B2A、深い青緑 #2A6F6B。
- グラデーションは使わない。
- メインボタンは琥珀色にする。
- 頼まれていない機能追加や大規模な作り直しはしない。
- 変更後はPreviewで確認する項目を報告する。
- 私がこの画面を開いたとき、________________と感じられるようにする。

空欄には、あなたの言葉を入れます。

「少し安心する」「仕事を始めたくなる」「頭が静かになる」。何でも構いません。

この一行が、あなたと誰かのCLAUDE.mdを分けます。

会話を消す。ルールは残す

いよいよ、先ほど置いた紫色の仮ルールを消します。

/clear

/clearは、いまの会話コンテキストを空にして、新しい会話を始めます。前の会話はClaude Codeが保存していて、あとから戻れます。

/clearは会話に対する操作です。フォルダの中のファイルやCLAUDE.mdには手を加えません。新しい会話でも、CLAUDE.mdは読み込まれます。

クリア後、最初に聞きます。

このプロジェクトの目的と、メインボタンの色のルールを教えてください。

何と返ってきたでしょうか。

琥珀が残り、紫が消えていれば、狙いどおりです。違う答えが返ってきても、あなたの失敗ではありません。Claudeの出力は毎回同じにはなりません。もう一度聞いてみてください。

CLAUDE.mdが本当に読まれているかは、目で確かめられます。

/context

Memory filesの欄にCLAUDE.mdが並んでいれば、読まれています。ここに出ていなければ、Claudeはそのファイルを見ていません。

ここで、コンテキスト管理の核心が見えます。

会話は、旅の途中で書くメモです。

CLAUDE.mdは、次の旅にも持っていく羅針盤です。

だから、何でもCLAUDE.mdへ書けばいいわけではありません。

今日だけの事情は会話へ。毎回守ってほしいことだけをCLAUDE.mdへ。

同じ依頼を、もう一度出す

次を送ります。

比較実験の後半です。

「今日を動かす一手」という見出しと、
「始める」というボタンがあるヒーローカードを、after.htmlとして作ってください。
既存のindex.htmlとbefore.htmlは変更しないでください。
デザインは、このプロジェクトのルールに従ってください。

Previewでbefore.htmlとafter.htmlを見比べます。

色は変わりましたか。

言葉の温度は変わりましたか。

あなたが最後に書いた一行は、画面のどこかに現れていますか。

CLAUDE.mdを書き換えて変わったもの:
思ったほど変わらなかったもの:
次に具体化したい一行:

変化が小さくても失敗ではありません。

曖昧なルールは、AIにとっても曖昧です。

一行だけ具体化し、もう一度試してください。それがCLAUDE.mdを育てるということです。

最後は、別の目で見る

同じフォルダで新しいセッションを作ります。Permission modeはManualのままにしてください。

あなたは読み取り専用のレビュアーです。
ファイルを変更しないでください。

index.html、before.html、after.html、CLAUDE.mdを確認し、次を報告してください。

1. 完成条件を満たしていない点
2. CLAUDE.mdと実装が矛盾している点
3. 初心者には不要に複雑な点
4. このまま使い始めてもよい点

問題は重要度順に並べ、場所・理由・最小の直し方を示してください。
問題がなければ、無理に作らないでください。

ここで一つ、覚えておいてほしいことがあります。

「変更しないでください」という一文は、Claudeに方針を伝えるものです。**実際に手を止めているのは、その前に選んだManualのほうです。**文章でのお願いと、権限の設定は別物です。この二つを混ぜないでください。

なぜ新しいセッションを使うのか。

作った過程を知らないClaudeに見てもらうためです。

苦労して作った本人は、どうしても作品に優しくなります。それはAIも同じです。

別のコンテキストは、しがらみのない新しい目になります。

レビューを読んだら、ここも三行だけ残します。

自分では気づかなかった指摘:
CLAUDE.mdに書き足したい一行:
逆に、CLAUDE.mdから消したい一行:

5つのミッションを終えたあなたが、手に入れたもの

フォルダには、index.html、before.html、after.html、CLAUDE.mdがあります。

けれど、成果はファイルの数ではありません。

白紙を見たとき、いきなり作らせず、まず調べさせられる。

大きな依頼を、計画と完成条件へ変えられる。

Claudeが走り出しても止められる。

Diffを見て、分かる範囲から判断できる。

会話が散らかったら、本筋だけを救い出せる。

一時的な事情と、次回にも残すルールを分けられる。

AIが作った設定に、自分の言葉と色を入れられる。

これらができれば、もうClaudeを「答えを出す箱」として使ってはいません。

一緒に仕事を設計し始めています。

残りは1つです。

ここまでは練習でした。最後のミッションで、本当の仕事を一つ終わらせます。


MISSION 6 本当の仕事を、一つ完成させる

時間の目安:2時間

終わったと言えること

  • 毎週くり返している仕事を、一つ選んだ
  • 「終わったと言える状態」を先に一文で書いた
  • 本番のファイルを変える前に、Plan Modeを使った
  • Diffを自分で確認した
  • Claudeの案を一か所、自分の判断で変えた
  • 別のセッションで、読み取り専用のレビューをした
  • くり返し使うルールだけを CLAUDE.md に残した
  • できたものを、実際の仕事で使った(または誰かに見せた)

ここで終えると、きれいな練習で終わります。

少しもったいない。

次の一歩は、明日の仕事から一つ選ぶことです。

提案書が白紙なら、資料を入れたフォルダを選び、事実、不足情報、構成案を分けさせる。

長い議事録があるなら、原文を残したまま、決定事項、担当者、期限を抽出させる。

Webサイトを直すなら、変更前に三つの方向性を出させる。

毎週同じ形式でレポートを書くなら、その形式をCLAUDE.mdへ残す。

ただし、一度に全部変えないでください。

次の文を埋め、仕事を一つだけ選びます。

私は毎週、________________に時間を使っている。
その仕事で、毎回同じように迷うのは________________である。
次はClaude Desktopで、________________を一つ完成させる。
完成したと言える条件は________________である。

選んだら、この順に進めます。ここまでの5回でやったことを、そのまま本番へ移すだけです。

  1. その仕事の資料が入ったフォルダだけを選び、専用のセッションを作る
  2. まだ何も変更させず、いまある材料と、足りない情報を調べさせる(MISSION 1)
  3. Plan Modeで、計画と確認方法を作らせる(MISSION 2)
  4. 計画を一か所、自分で直す
  5. 進めさせ、Diffを自分で確認する
  6. 違うと思ったら止める。曖昧なところは三つの案に開かせる(MISSION 3)
  7. 話が長くなったら、残す情報を指定して /compact する(MISSION 4)
  8. 別のセッションで、読み取り専用のレビューをかける(MISSION 5)
  9. 実際に使う。相手の反応、または自分の手応えを書き留める
  10. 次回にも残したいルールを一つだけ選んで CLAUDE.md に足す

終わったら、最後に三行。

作業時間より、どんな迷いが減ったか:
任せてよかった部分と、自分で握った部分:
次にCLAUDE.mdへ残す一行:

学習とは、知っている機能の数ではありません。

昨日より少し早く、少し自分らしく、仕事を完成できることです。

NEXT MOVEの次の一手は、あなたの本当の仕事の中にあります。

この教材の合格条件は、コマンドを覚えていることではありません。

次の一文を、自分の経験として言えたら合格です。

Claudeが何をしたか分かる。違えば止められる。次回はもっと自分らしくできる。


困ったときに開くページ

Claudeが勝手に大きく直し始めた

慌てず止めて、次を送ります。

いったん止めてください。
依頼に必要な最小変更と、追加で行おうとした変更を分けて説明してください。
追加変更は取りやめてください。

完成したと言われたが、信用してよいか分からない

最初の完成条件を再掲し、各項目を実際に確認してください。
確認できた事実、未確認、失敗を分けて報告してください。

「できました」という報告より、何をどう確認したかを見る癖をつけます。

Claudeが古い案を何度も持ち出す

現在の目的、確定した判断、まだ未確定のことを分けてください。
古い案と現在の案が混ざっていないか確認してください。

同じ仕事を続けるなら、残す情報を指定して/compactします。

別の仕事ならNew sessionです。

このルールをどこへ書くか迷う

この指示は、会話だけに置く一時ルール、CLAUDE.mdへ残す永続ルール、
特定作業だけで使うSkillのどれが適切ですか?
理由と、最も短い書き方を提案してください。
まだファイルは変更しないでください。

迷ったら、最初は会話へ置いてください。

二度、三度と同じことを直したとき、初めてCLAUDE.mdの候補になります。


この先にある四つの扉

Claude Code 101には、Subagents、Skills、MCP、Hooksも登場します。

ここまで来ると、全部試したくなるかもしれません。

しかし、道具は必要になる前に増やすと、管理する仕事が増えます。

困りごとが現れたとき、一つだけ開いてください。

調査やレビューでメインの会話が長くなるなら、Subagent。

同じ作業手順を何度も説明しているなら、Skill。

外部サービスの情報が必要なら、MCPまたはConnector。

毎回必ず行うことや、絶対に止めたい操作があるなら、Hook。

最初に開くなら、読み取り専用のレビューSubagentかSkillが安全です。

使う機能が多い人より、必要なときに一つ選べる人の方が、仕事は軽くなります。


この教材をつくるときに参考にしたもの

読者の未来から始める構成

説明から入るのではなく、「これができると仕事がどう変わるか」を先に見せる形にしています。公開されている文章術を参考に、次の四つを軸にしました。

  • 読み終えたあとに開く世界を、先に読者へ見せる
  • 常識とは逆向きの一言で、思い込みを止める
  • 読者の不安を先回りし、その場で小さく実践させる
  • 幸せな未来から現在へ戻り、最初の一歩を決める

Claude Desktopの操作

Desktop固有の権限モード、Diff、Browserペイン、ファイルペイン、Side chat、セッション、使用量リング、コンテキスト管理、CLAUDE.mdの置き場所は、次の公式ドキュメントに照らして確かめました。

照合日:2026年8月27日。**照らしたのは公式ドキュメントであり、すべての画面を実機で再現したわけではありません。**アプリの更新でボタン名や配置は変わります。教材と表示が違う場合は、公式ドキュメントを優先してください。